新婚旅行
日本で初の新婚旅行を行ったのは、坂本龍馬とされ、お龍との新婚後暫らくは薩摩に滞在している。ただしこれは寺田屋事件で負った傷の治療(湯治)もかねてという事であるから、今日のロマンチックな新婚旅行とは、些か赴きも違った新婚旅行だろう。
日本では大正・昭和に入って新婚旅行に行く大衆も見られるようになった模様だが、第二次世界大戦以降の高度経済成長期までは、専ら日本国内の近場の新婚旅行が多かった。東京の住民が熱海の温泉宿で二泊三日程度の新婚旅行をしたなどという話も聞かれる。
その新婚旅行も、1970年代以降には急速に海外新婚旅行指向が増大、ハワイ等への新婚旅行渡航者も多く見られた。1980年代よりはインドネシア・グアムやフィリピンといった東南アジア方面も新婚旅行人気を集め、1990年代よりはオーストラリアやヨーロッパ方面も新婚旅行人気である。アジア方面では中国や韓国も文化的な親近感と観光開発の進行で新婚旅行人気を集めている。しかしエジプトなどの中東方面も文化的な名所の多さから新婚旅行人気があったものの、1990年代中葉よりしばしば発生しているテロの関係で、2000年代では新婚旅行人気に陰りも見られる。
特に1990〜2000年代では、円高の進行は海外新婚旅行渡航傾向を後押ししており、豪華客船世界一周や豪華な大陸横断鉄道による列車の新婚旅行などといった新婚旅行の多様化・高級化・長期化も見られる。ただその一方で、長引く平成不況の景気低迷で、いわゆる地味婚といった新婚旅行風潮も見られ、こちらでは結婚したが新婚旅行は未定期延期…という新婚家庭も見られ、またできちゃった結婚の増加も、微妙に新婚旅行の傾向に影響を及ぼしている模様だ。
だがその一方で、団塊世代(第一次ベビーブーマー)やそれ以前の夫婦では、経済的な問題があったり忙しくて余り豪華な新婚旅行が出来なかった向きが、2000年代より新婚当時は夢見て果たせなかった「豪華な新婚旅行」を取り戻すべく、定年退職後の有り余る余暇を利用しての豪華新婚旅行といった風潮も見られ、熟年〜老年夫婦の新婚旅行も増加傾向である。旅行会社側もこれに対応し、1人数百万円という豪華パック新婚旅行までもを企画・提供している。
ハネムーンの語源は蜂蜜酒に関連する。古代から中世にかけてのヨーロッパでは、新婚家庭で花婿に精力増強効果が期待され、またはミツバチの多産にあやかって蜂蜜酒が飲まされた。この約1ヶ月の間、新郎新婦は家から出ずに子作りに励んだという。 今日で云う所のハネムーンでは、流石に蜂蜜酒を飲みながら行為に耽る事はしないが、通例として新婚初夜から数日間は新婚旅行しながら濃厚な新婚旅行休暇を楽しむものとされる。
成田離婚(なりたりこん)とは、結婚したての男女が新婚旅行を期に離婚してしまうこと。
成田空港から新婚旅行に出発した、あるいはしようとしたカップルが、空港内及び新婚旅行中に、些細な新婚旅行トラブルからお互いの関係が狂い、もしくは結婚生活が相手と成立するのかを考え直し、新婚旅行出発直前または新婚旅行帰国後に離婚してしまうことをいう。とりわけ女性側から三行半を突きつける場合に多く用いられるが、男性側から離婚を突きつける場合もある。
新婚旅行の主なトラブルとしては、
パスポート忘れによる口論
飛行機の乗り遅れによる口論
荷物の紛失による口論
行き違いによるケンカ・口論
どちらか一方、または両方が外国語を話せないことから起こる口論
など些細なことが多い。
成田離婚はバブル経済期に有名になった。当時は経済力をつけた未婚女性が外国旅行を楽しむ機会が多くなった一方で、企業戦士であることを社会的に要請され続けた男性はそのような経験が少ない傾向があったため、国内で立派に見えた夫が言葉の通じない外国でその場に合った適切な対応ができなかったことを皮切りに口論・離婚に至ったというパターンが有名であるが、事例によって千差万別である。 テレビドラマ『成田離婚』にも取り上げられ流行語になった。